バイコム誕生物語。by米田会長インタビュー その④

今回は、米田哲さんに日本人の環境意識に関する問題、さらには現在、世界各国で問題となっている「磯焼け」における活動をお聞きしています。
様々な環境について問題意識があるとお聞きしています。
環境問題では手出しできないものがあります。特に問題なのは、日本人は環境にお金を出さない事です。
以前は下水にすらお金を出さなかった。現在では法律で支払い義務ができました。
元々企業も個人も環境にお金を出すような考えはなかったですから。
日本くらい水の豊かな国はありません。だから日本人が水を買わないことに諸外国の人は驚いています。
外国の方は、日本に観光で来た時、お店でまず水が出てくることにびっくりされます。
海外では水を注文するとそれだけで普通にお金を取られますから。
最近、台湾に行きましたが、生水は飲まないし、料理も炒め物とか暖かいもの、煮物とかばかり。
日本以外では、口にするものは火を使っていないと怖いからです。
それ以前に元々日本人は恵まれている、自然に。だから自然を汚すのもタダだと思っている。
これからはそういう時代ではないと思います。
会社を設立されてから、様々なチャレンジをされています。
今は、オランダの会社とあるプロジェクトに取り組んでいます。
海洋環境問題で、磯焼けという問題がある。磯場が砂漠みたいになってどんどん魚もいなくなって。
何が増えているかというとウニ。ウニは藻場を食べつくしてしまう。原因は地球温暖化とか海洋汚染とか色々言われていますが、とにかく世界中で磯焼けが問題になっている。そこには必ずウニがいる。
そこで我々が何に取り組んでいるかというと、磯焼けの改善です。しかし磯焼けしている海域にいるウニは商品価値がないもの、要はエサ自体がないのでやせ細って実がない。まったく空っぽなんです。
だから今は、かき集めて、重油をかけて燃やしたりしているのが現状です。
高級食材のウニは養殖すると食用になるのに早くて3年、本当に良い商品になるのに5,6年かかります。
それでは採算が取れません。
我々がやろうとしているのは、駆除はもったいない、しかし海を荒らしてしまう。だから空っぽのウニを陸上で短期間の養殖をし、商品価値のある実入りのウニにするという実験をしています。
最終的には弊社の硝化菌で同じ海水を何年も使用し、海を汚さずに養殖をすることを目指しています。
海を汚さず、磯焼けの原因であるウニを駆除でき、商品にもなれば、一石二鳥、それで藻場が改善し、海洋環境が良くなれば、言うことはないと考えます。
国連のゾーン11の北太平洋担当の方にも注目して頂いており、現在、様々な国で活動されている仲間がいる。今度日本で陸上養殖の試験をし、国内の複数の大学でも試験をしています。
私自身はやりたいことをやっているだけなので、幸せだと考えています。
今後の活動に期待しています。
本日は、ありがとうございました。